言いたい放題 ~Hiikichi's BLOG=Ⅱ=~          

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ウクライナは国益を見誤ったのか

クリミア自治共和国セヴァストポリ特別市はロシア連邦へ編入される」。

2014年3月18日、クリミア、セヴァストポリ、ロシアの3者は、上記内容で条約調印出来た事を内外へ宣言しました。

ウクライナは、当然の事ながら強く反発しています。クリミア及びセヴァストポリのロシアへの帰属を断固認めない姿勢です。でもウクライナが反対しようと、西側諸国が反対しようと、ロシアがこの決定を覆す可能性は皆無に等しい。ウクライナが、全面的に謝罪をして元の付き合いに戻そうと言ったところで今更それも通じない。国際的な支持を得られていないという言葉になど、ロシア、クリミア、セヴァストポリの3者は耳を貸す事は無いでしょう。

 

そもそもこの問題は、(ウクライナが希望する)EUへの加盟を許可することと引き換えに、黒海の油田や東部の各種鉱山の資源などを、これまでのロシアへの輸出最優先政策から、欧米への輸出へ切り替えるようにと、アメリカ合衆国並びにEUがウクライナ政府へ強く要求した事に端を発します。

多くのロシア人や親露派住民が暮らすウクライナ(特にクリミア周辺や東部地域)で、あからさまにロシアに敵対するような政策大転換が上手く行くわけがないのに、この事を強行しようとした親欧米派によって親露派のヤヌコーヴィチ大統領がその座を追われてロシアへ逃亡せざるを得なくなった。ヤヌコーヴィチ氏の行き過ぎた(私利私欲の)蓄財生活は、政治指導者としては褒められた事ではないので、大統領追放自体に大きな問題は無い。しかし、「ロシアへの裏切りは許されない」とするロシア人や親露派は、当然、親欧米派の新政権に対して強く反発した。そしてクリミアの独立問題へと発展する。クリミア+セヴァストポリ独立~ロシア帰属宣言は、ドネツィク、ル・ハーンシク、ハルキウオデッサなど親露派住民が多数を占める州へ強い影響を与え、新たな独立運動連鎖の様相を見せている。

 

クリミアに限定するなら、明らかに分があるのはロシア

ロシアは、クリミアの編入を既定事実化し調印も済ませた。そもそも親露派住民が多数を占めるクリミアに対して、米国その他が然も救世主のような顔をして出張っても、逆にクリミアの銃口は米軍(NATO軍)へ向くでしょう。

昔から欧州の大火薬庫の一つであるクリミアです。それを分かっていて米国が要らぬ軍事介入するような事があれば、米国の考えを支持出来る国と到底支持出来ない国とに、欧州は真っ二つに割れる恐れも有ります。

米国は、近年も、ボスニアコソボの情勢を甘く見て見間違えた。一歩間違えば第三次世界大戦へと発展したかもしれない。もう(独立絡みの)戦争は懲り懲りだと考えている欧州市民は数多くいる。闇雲に米国を支持するような欧州市民は少数派に過ぎない。米国は、今回もウクライナ社会の内実を甘く見過ぎている。米国は絶対に失敗する。引いては、ウクライナの取り返しの効かない失敗となるでしょう。このままでは、ウクライナは、必ずクリミアも東部も失い、何もない国となる。

親露と親欧で協議分国出来ればそれが最も良い解決策ですが、ウクライナ新政府が強く希望していたEUへの加盟は、クリミアや東部地域無しでは叶えられないでしょう。黒海の石油利権、東部の鉱脈利権をEUへ持ち込めないのなら、ウクライナは、EUにとってギリシャ以上の経済的お荷物となる。故に、ウクライナはEU加盟も果たせず八方塞がりになるのは必定。欧米からも見捨てられたら、もともと経済基盤の弱いウクライナでは、ロシアへの帰属を願い独立を希望する州が後を絶たなくなる。既に・・・

ウクライナ東部の、ドンパス地方と呼ばれるドネツィク州とル・ハーンシク州の内、先に戦闘(内戦)が激化したドネツィクでは親露派が共和国宣言を行った。クリミア同様にロシアへの編入を強く希望しているしそれは間違いなく果たされる。当然のように、ル・ハーンシクでもウクライナ政府軍への攻撃が始まった。恐らく、同様の動き(共和国宣言~ロシア編入)となるでしょう。

国益という言葉の毒を飲んでしまったウクライナの取り返しのつかない大失政です。

 

ロシアとの十分な協議をせずにEU加盟の甘い誘惑話にホイホイ乗ってしまったものだから、失わずとも済んだ黒海の石油資源もドンハン地方の世界有数の豊富な鉱山資源も失う羽目に遭う。西部のオデッサ等も微妙な感じなので、そうなってはもうウクライナは国家として持たなくなります。

ロシアの本音は、軍事介入無しにウクライナ親露派各州のロシア編入を果たし、やがては(規模縮小した後の)ウクライナに親露派の政権が誕生して和解となる事

ロシアの思惑を米国やEUが無理矢理阻止しようとするなら、ユーゴスラヴィア連邦解体時の惨劇以上の事が起きかねない。ニュース映像で流されているように、ドネツィクでもル・ハーンシクでも、見るからに普通の市民が自動小銃を手にして戦っている。嘗てのサラエボボスニア)やコソボで見られた光景と同じです。アフリカやアラブで起きている事と同じです。本当に泥沼化しますよ。欧米は、「平和」を繰り返し強調するけど、結果的に自分達の利得しか見ようとしていないから血を流す(流させる)羽目になる。最低、最悪です。

 

今、ロシアに慌てる理由は何も無い。国際社会が何をどう云おうと、クリミアもセヴァストポリもロシア編入の条約調印を終えている。取り敢えず、国海油田や黒海艦隊の軍港は守れそうな事から、後は、欧州各国との和解を徐々に進めれば良いと考えているでしょう。近々ドンハン地方の鉱山資源も手に入るでしょう(これは、ウクライナが勝手に招いた失態でタナボタに近いです)。

国際社会(世論)が、「ロシアはエネルギー(資源)を政治利用(悪用)している」と糾弾したところで、そのエネルギー供給がストップしたら、EU圏の経済活動は大打撃を被る。ロシアとEUは必ず和解するし、和解しない理由を求める方が難しいサンクトペテルブルクでの国際経済フォーラムへの欧州企業群の参加姿勢を見ても、EUは、何のかんの言いながらもロシアへの開発協力で得る「国益」を重視するプーチン大統領には、その程度の読みは出来ている。そうなれば米国も和解に応じざるを得ない。

 

以上の見解により、我が国はそれよりも早く動ける準備をしておくべきです。千島海域の開発では「そこをロシア領と認めるのか」の声が上がってやり辛い面もあるだろうけど、ドンハン地方で今後期待されるシェールガス開発や勿論、黒海の油田、その他様々な開発案件が目白押しです。ところが、欧州企業の商談速度が(ウクライナ情勢を受け)少し落ちている中で、支那が乗り込んで行く姿勢を強く見せている。言うまでもなく、支那の遮二無二の開発手法では環境汚染の心配が付きまといます。だからこそ、我が国が商談に打って出て、環境に優しい開発技術での協力を主張するべきです。けれども、我が国にはロシア嫌いが多過ぎて、結局は、支那がロシアを食い荒らすのかな。

 

(※2014年に書いた記事ですから訂正が必要でしょうけど、面倒なので単純に記事引っ越ししてアップしました。)